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佐々木 裕介
チャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所 代表
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離婚時の年金分割の必要性と手続き方法を解説!~合意分割と3号分割の違い~

年金分割のイメージ画
年金分割について

年金分割とは、離婚するときに、婚姻期間中に夫婦で支払った厚生年金の保険料納付記録の一部を、相手に移すことができる制度です。この制度によって、将来、受け取ることができる年金の額が変わります。特に、結婚後に家庭に入って、家事や育児などを主として担ってきた方は、会社などで働いていなかったり、働いていても収入が少なかったりする場合が多いです。そのような方は、年金分割をしないと、老後は国民年金だけで生活しなければならなくなります。国民年金は、毎月の受給額が少ないので、生活が困難になる可能性があります。年金分割は、現金ではなく年金記録の移動ですので、離婚するときに、必ず手続きをする必要があります。年金分割の制度や手続きについて、詳しく解説したいと思います。

この記事の監修

佐々木 裕介(弁護士・行政書士)

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「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚や調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。

この記事を読んでわかること

  • 年金分割の手続きについて
  • 合意分割と3号分割の違いについて
  • 公正証書と離婚協議書の違いについて
目次

年金とは

夫が会社員で私が専業主婦の場合は・・・

佐々木弁護士

厚生年金になりますので、分割の対象です。国民年金は分割の対象にはなりませんので注意しましょう。

「年金」とは、老後の生活を支えるための公的年金制度の総称です。国民の義務として、20歳になったら加入しなければなりません。 公的年金には、国民年金厚生年金の二種類があります。国民年金は、すべての国民が加入する基礎年金です。厚生年金は、会社員などが加入する上乗せ年金です。加入条件や納付額は、年金の種類によって異なります。公的年金の受給開始年齢は、原則として65歳ですが、早くもらうことや遅くもらうこともできます。 公的年金以外にも、個人で加入する私的年金というものもあります。これは、自分で選んで契約する年金保険のことです。

共済年金は、国家・地方公務員や私立学校教員などの常勤の方が加入する年金制度でした。しかし、この制度は平成27年10月に廃止されて、厚生年金に一本化されました。ただし、2015年9月までに共済年金をもらっていた方は、そのまま受給が続きます。

年金分割とは

年金分割とは、離婚した際に婚姻期間中に夫婦がそれぞれ納めた年金を分割して分け合う制度です。年金分割は、離婚した時点でお金をもらうということではありません。年金の受給資格を満たした時に、分割された年金の額をもらうことになります。

年金分割の目的

年金分割とは、離婚した夫婦が婚姻期間中に払った年金の保険料を分け合って、老後の生活を安定させるための制度です。年金分割は、専業主婦(夫)であった方の将来の年金受給額を減らさないようにするとともに、夫婦間の年金の受給額の差を縮めることで、離婚後の生活の公平性を確保することを目的としています。

分割対象となる年金は

年金分割の対象となるのは、厚生年金共済年金です。対象期間は婚姻期間中です。一方で、自営業者やフリーランスの人が加入している国民年金は対象ではありません。国民年金は夫婦ともに加入しているからです。確定給付企業年金なども対象外となります。

別居期間は

別居期間中の年金分割についてはどのように考えたらいいのでしょう。基本的に、別居後に作った財産は、自分のものとして残りますが年金分割は、夫婦が婚姻期間中に貯めた年金を半分ずつ分けることです。夫婦が別居していても、婚姻関係が続いている限り年金は貯まっていきます。そのため、別居期間中の年金も分割の対象になります。年金分割は、老後の生活を守るためにも必要なことのため、別居期間を区別しません。

年金分割の請求期間は

離婚時はバタバタしていて請求しわすれた場合はどうなるんですか?

佐々木弁護士

離婚してから2年以内でしたら請求可能です。早めに手続きしましょう。

年金分割の請求期限は、離婚した日の翌日から2年間です。しかし、この期限は例外があります。離婚後2年以内に元配偶者が死亡した場合は、死亡から1か月以内に請求しなければなりません。また、家庭裁判所に審判・調停の申し立てをした場合は、審理中に期限を経過しても請求できます。この場合は、審判・調停が成立してから6か月以内に請求する必要があります。

合意分割と3号分割

年金を分割する方法は合意分割3号分割の2つがあります。1つずつ解説していきます。

合意分割

合意分割とは、離婚する夫婦が自分たちで話し合い年金の分け方を決める方法です。合意分割ができるのは、どちらかまたは両方が厚生年金加入者(第2号被保険者)である期間があった夫婦です。合意分割の場合、按分(あんぶん)割合は夫婦で話し合って決めることができますが、上限は2分の1です。最大で半分を受け取れることになります。合意分割は権利なので、必ずしなければならないわけではありません。夫婦で話し合っても年金の分け方が決まらない場合や、年金分割をしないという合意もできます。しかし、合意ができない場合は、裁判所に相談して決めてもらうこともできます。

  • 第1号被保険者・・・自営業など
  • 第2号被保険者・・・会社員・公務員
  • 第3号被保険者・・・専業主婦

3号分割

3号分割とは、離婚した夫婦のうち、専業主婦(主夫)や扶養内で働いていた期間がある方(第3号被保険者)が、相手の合意がなくても年金事務所で請求できる方法です。この方法では、婚姻期間中に相手が払った年金の保険料の半分を、自分の将来の年金に移すことができます。3号分割は相手の合意は必要ありません。手続きも一人で行うことができます。ただし、対象となるのは平成20年4月1日以降に払った年金の保険料だけです。それより前の分も分けたい場合は、相手と話し合って合意分割をする必要があります。

2008年4月1日以前の年金

3分割できるのは、2008年4月1日以降の年金が対象です。2008年4月1日以前のものは3号分割できません。2008年4月1日以前の年金については配偶者の合意が必要です。しかし、相手が合意しない場合は調停の申し立てが必要になります。

合意分割と3号分割は両方請求可能

合意分割3号分割は、同時に請求することができます。その場合は、合意分割の対象となる期間と3号分割の対象となる期間を別々に計算します。3号分割の対象となる期間は、必ず2分の1で分割されます。合意分割と3号分割の請求は、一度に手続きをすることができます。合意分割の請求が行われた場合、婚姻期間中に3号分割の期間が含まれるときは、合意分割と同時に3号分割の請求があったとみなされます。

年金分割請求の流れ

具体的に年金分割をどのように手続きするのかを合意分割3号分割にわけて解説します。

合意分割請求の流れ

①年金事務所への情報提供請求書の請求と受け取り

最寄りの年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」請求します。二人一緒でも一人でも請求できます。最級可能期間中ならば離婚の前後は問いません。①基礎年金番号またはマイナンバーを明らかにすることができる書類②婚姻期間等を明らかにすることができる書類が必要になります。これは夫婦が分割の対象となる期間やその期間におけるそれぞれの標準報酬月額・標準賞与額、按分割合を定めることができる範囲の情報を正確に把握するため請求します。

②按分割合を決める

当事者で話し合い按分割合を決めます。按分割合の上限は2分の1です。

③合意したことを示す書類作成・年金事務所への書類提出

話し合いにより年金分割の割合を定め、年金分割を申し込む際は、夫婦が合意したことを示す書類が必要です。その書類は、公証人に作ってもらう公正証書や公証人の認証を受けた私署証書のほか、年金分割すること及び按分割合に合意している旨を記入し署名した書類などになります。そして、公正証書などではなく夫婦間の合意書などの場合は合意分割請求のために夫婦そろって(代理人可)年金事務所に直接合意書を持参する必要があります。その際、本人確認できる書類も必要になります。(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)

④標準報酬改定通知書の受領

年金分割の手続きが完了すると、「標準報酬改定通知書」が送付されます。手続き完了になります。

3号分割請求の流れ

3号分割は、「標準報酬改定請求書」を作成し提出するだけで手続きが完了します。合意分割のように、相手と話し合ったり、2人で年金事務所に行ったりする必要はありません。按分割合は2分の1と決まっています。手続きには必要書類があるので以下のサイトで事前に確認しましょう。

年金分割について「日本年金機構」

離婚協議書と公正証書

合意分割の際、夫婦が年金分割に合意したことを示す書類が必要と解説しましたが、それは離婚協議書公正証書になります。離婚協議書や公正証書の違いなどを解説します。

離婚協議書

離婚協議書とは、協議離婚をする夫婦が、離婚に関する財産や子どもの問題などを書面にした合意書のことです。離婚協議書は法的に義務ではありません。また、法的な効力もありません。しかし、離婚時にした口約束では証拠にならないため、離婚後のトラブルを防ぐために作成することがおすすめです。例えば、夫婦間で取り決めた財産分与や慰謝料、親権や養育費、面会交流などの約束事を記載することが一般的です。離婚協議書を作成する際には、夫婦双方が納得できる内容であり、夫婦が合意していることが大切です。離婚協議書の作成には、弁護士や行政書士などの専門家に依頼することもできます。離婚協議書には決められた書式などがないため、夫婦だけで作成することも可能です。内容や表現にも決まりがないため、簡単に作成できると思われがちですが、表現があいまいで、互いの解釈に相違があり、離婚後トラブルに発展する恐れがあります。

公正証書

公正証書とは、公証人という法律の専門家が作成する公文書で、高い証明力を持つものです。公正証書は夫婦がそろって公証役場に出向いて作成します。離婚協議書を公証役場で公正証書にしてもらうというながれが一般的です。公正証書には、強制執行認諾約款というものを入れることができます。これは、養育費などの支払い債務について、相手方が不履行になった場合、裁判を経ずに強制執行手続きに入ることができるという約束です。つまり、裁判を行うことなく相手の給料などを差し押さえることができるということです。公正証書を作成すると、慰謝料や養育費などの支払いを確実にすることができます。

公正証書を弁護士や行政書士に依頼するメリット

弁護士

弁護士に公正証書の作成を依頼すると、離婚協議書の作成から公正証書の作成まで、一貫して法的なアドバイスとサポートを受けることができることです。弁護士は、離婚協議書の作成にあたって、夫婦双方の利益を考慮しながら、円満な協議を促進します。公証役場に夫婦でそろって出向くことが困難な場合は、弁護士に代理人を依頼することもできます。弁護士に公正証書の作成を依頼することで、離婚に関する権利義務を確実にすることができます。

行政書士

公正証書を行政書士に依頼すると、離婚協議書の作成から公正証書の作成までをサポートします。弁護士と行政書士の違いは、行政書士は夫婦双方の意見を聞くことはできません。夫婦で合意した内容を離婚協議書から公正証書にします。また、代理人として公証役場に行くことはできません。離婚の際、紛争性の高い場合は弁護士に依頼することがお勧めです。しかし、すでに夫婦間で約束事が合意されている場合は行政書士に依頼することがお勧めです。金額の違いもあります。詳しくは当サイトのサービスページをご覧ください。

養育費保証会社について

離婚前離婚協議書や公正証書を作成することで養育費の確実な支払がされるよう対策します。しかし、実際に養育費を受け取るのは、あなた自身です。子どもが成人するまでの間、毎月元配偶者から支払いがあったのか、確認しなくてはなりません。もしも支払いがなかった場合には、あなたが元配偶者に対して催促を行い、必要に応じて強制執行の申し立てを行わなくてはなりません。これらのことは、時間的にも経済的にも精神的にも負担が大きいことです。そこで、養育費保証会社に加入するという選択肢もあります。養育費保証会社とは、離婚後に子どものために養育費を受け取る人が、養育費保証会社と契約を結ぶことで、養育費の支払いを保証してもらうことができる会社のことです。

メリット

養育費保証会社に加入することのメリットは、以下のとおりです。

  • 養育費保証会社は、あなたに代わって債務者に養育費を請求します。あなた自身に支払われる養育費は養育費保証会社から支払われます。そのため、債務者から支払いが行われているかという不安から解放されます。
  • もしも債務者からの支払いが止まっても、1年間は養育費が保証されます。つまり、養育費保証会社があなたに養育費を払い続けます。
  • 養育費保証会社の弁護士が、強制執行の手続きを行います。弁護士を探すという手間や費用もかかりません。
  • 現在一部の自治体では、養育費保証を契約する際の初回手数料を支援しています。初回手数料は、養育費の1か月分程度です。

デメリット

デメリットは以下の通りです。

月々の手数料3%がかかる。

この手数料により養育費を支払う側の金額は変化しません。支払われる側の金額から3%引かれた状態で振り込まれるというシステムです。

離婚するときには、養育費の支払いに関して、離婚協議書を公正証書にすることや、養育費保証会社に加入することなど、様々な選択肢があります。これらの選択肢のメリットやデメリットをよく理解し、自分にとって最適な方法を選ぶことが重要です。離婚に関する法律や手続きは複雑で難しいことが多いので、弁護士や行政書士などの専門家に相談することもおすすめします。

チャイルドサポート法律事務・行政書士事務所

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離婚を決断され、前を向いて新たなスタートを切ろうとされている依頼者さまのお気持ちに寄り添い、経験豊富な弁護士と行政書士が様々な問題を解決いたします。チャイルドサポートは、協議離婚手続きのサポートを専門にしている法律事務所・行政書士事務所です。
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