この記事を読んでわかること!
- 解決金の性質
- 現在解決金の支払いと慰謝料の支払いで悩んでいる方必読!!
佐々木 裕介(弁護士・行政書士)
「失敗しない子連れ離婚」をテーマに各種メディア、SNS等で発信している現役弁護士。離婚の相談件数は年間200件超。協議離婚や調停離婚、養育費回収など、離婚に関する総合的な法律サービスを提供するチャイルドサポート法律事務所・行政書士事務所を運営。
離婚の際、財産分与や養育費、慰謝料といった名目のお金が支払われますが、その中に解決金というものがあるのをご存じですか?解決金とは、離婚問題を円満に解決するために、一方の配偶者がもう一方の配偶者に対して支払うお金のことです。法律上で定められた義務ではなく、夫婦間の合意で取り決めるものです。今回はこの解決金がどのような時に支払われるお金なのか、またメリットやデメリットは何なのか、お話していきます。
解決金とは??
解決金とは、離婚するときに、夫や妻のどちらかが相手に渡すお金です。養育費や財産分与は法律で決まっていますが、解決金はそうではありません。その為、裁判で請求することはできませんし、必ず払われなければならないわけでもありません。 解決金は、離婚をスムーズにするために使われることが多いです。例えば、「早くこの離婚問題を解決したいから」という理由で、相手にお金を渡すこともあります。
解決金と慰謝料の違い
慰謝料は、不貞や暴力などの不法行為をした配偶者が、他方の配偶者が被った精神的苦痛を慰めるために支払われるお金です。民法709条と710条に基づいて請求するものであり、法的根拠があります。そのため、慰謝料を請求する場合は、相手の不法行為や自分の精神的苦痛を証明する証拠などが必要です。
一方、解決金は、離婚に関する問題を解決する目的で、一方の配偶者から他方の配偶者に対し支払われるお金です。法律上の支払義務があるお金ではありません。そのため、解決金を支払う場合は、理由や内容を明らかにしなくてもよく、双方が合意するだけで支払われます。解決金は、相手に離婚に応じてもらうためや財産分与の調整のためなどに利用されることもあります。
どのような時に支払われるの?
- 夫か妻のどちらか一方が離婚を拒否しているとき
- 離婚時の金銭を一まとめにしたいとき
- 慰謝料という名目で支払いたくない時
- 扶養的財産分与を支払う時
- 性格の不一致で離婚する時
夫か妻のどちらか一方が離婚を拒否しているとき
どちらか一方が離婚を拒否している場合、解決金を支払うことで、離婚に応じてもらえることもあります。特に、離婚を拒否している理由が金銭的な理由にある場合、応じてもらえる可能性が高まります。
離婚時の金銭を一まとめにしたいとき
離婚時には様々な金銭のやり取りが発生しますが、それらを一まとめにして解決金という名目で支払うこともできます。
慰謝料という名目で支払いたくない時
「慰謝料」という名目で金銭が支払われると、支払った側は自分に非があることを認めたことになります。その為自分に非があることを認めたくない場合などに「慰謝料」ではなく、「解決金」として金銭が支払われることがあります。
扶養的財産分与を支払う時
離婚後、夫婦のどちらか一方が離婚することで経済的な不安があるとき、もう一方が援助する形の財産分与を扶養的財産分与といいます。たとえば、「離婚後3年間、婚姻費用相当額を支払い続ける」といった決定がくだされますが、これを定期的に支払うのではなく、一括で「解決金」という名目で支払うことがあります。
性格の不一致で離婚する時
本来性格の不一致で離婚する際、慰謝料は支払われません。それは、どちらに非があるというわけではないからです。しかし、実際の夫婦生活では片方が一方的に我慢して生活を続けてきたということもよくあります。そのような場合解決金を支払うことで離婚に合意してもらうという場合もあります。
解決金のメリット・デメリット
解決金にはメリットとデメリットがあります。
メリット
解決金のメリットは、解決金を支払うことで相手に離婚に応じてもらいやすくなることです。特に金銭的な理由で離婚を拒ばまれていた場合は、離婚できる可能性が高くなります。また、解決金は性格の不一致などの曖昧な離婚理由でも夫婦間で合意できれば支払われます。裁判離婚では、性格の不一致で慰謝料請求は認められません。
デメリット
解決金のデメリットは、法的な根拠がなく、曖昧というメリットになっていた部分が、デメリットにもなります。「慰謝料」のつもりで支払っても、支払われた側にはその趣旨が伝わっていなく、改めて慰謝料請求されてしまうという場合があります。また、解決金は慰謝料とは違い相場がありません。その為、高額な支払を要求されてしまうことがあります。しかし、高額な金銭のやりとりは課税対象になります。注意しましょう。
書面化しよう
解決金の支払い額などが決まったら、離婚協議書や、公正証書などに書面化させることをお勧めします。書面化させることで後のトラブルを避けることができます。また、その中には必ず清算条項を入れましょう。
甲及び乙は、以上をもってすべて解決したものとし、今後、財産分与、慰謝料等名目の如何を問わず、相互に何かの財産上の請求をしないことを約する。
清算条項とは上記のような一文です。この一文を入れることで、今後は双方において一切お金の請求をしないことが約束されます。
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